病院長ご挨拶このページを印刷する - 病院長ご挨拶

病院長
 2022年4月1日付けで病院長に就任し、1年以上が経過しました。
 2020年、副院長として着任直後に新型コロナウイルスが流行し、最初の大きな仕事が新型コロナウイルスへの対応でした。そして、コロナ禍という異常事態の中で病院長に就任し、全職員と力を合わせて感染対応を継続しています。新型コロナウイルスに対する当院の診療状況についてご紹介します。
 当院は、昭和4年(1929年)に療養所として開設され、古くは傷痍軍人の療養、そして今は結核、重症心身障害、神経難病と政策医療を行ってきました。平成16年(2004 年)の独立行政法人化を機に、政策医療を継続しながら、地域の総合病院としての役割も加わりました。感染流行を機に、多くの職員が当院の歴史や使命について再認識し、そして当院の役割を理解して流行当初から新型コロナウイルスの診療を担ってきました。長年、結核診療を行ってきた感染症の経験に基に、国内外から最新の論文や報告を日々入手し、最新の治療方法を随時導入するとともに、並行して十分な院内感染対策も行ってきました。多くの感染患者さんを受け入れましたが、新型コロナ病棟での院内感染を起こすことなく、今に至っています。
 2023年5月に季節性インフルエンザと同じ5類に分類が変更になりました。世間を見ると行動制限がなくなり、感染が終息したかのような錯覚を覚えます。しかし、行政上の扱いが5類へ変更されただけで、毒性がインフルエンザと同等に弱まった訳ではありません。確かにオミクロン株はデルタ株と比較し肺炎の発症は減り、毒性は少し弱くなった印象はあります。しかし、インフルエンザとは異なり、若年者であっても一定数に後遺症が起こり、日常生活に支障を来たしている人もいます。また、高齢者ではインフルエンザ以上に死亡のリスクが高く、感染により寝たきりになってしまう場合も多いです。病院には、感染によりリスクのある方が多く集まるため、病院内では引き続き「0(ゼロ)コロナ」が求められています。
 当院では、患者さんを守るため、5類になった今でも入院前の検査や面会に制限を設けていますので、ご理解をよろしくお願いします。
 引き続き、高い医療技術を常に更新・維持し、患者さんが心地よく診療を受けられる環境を整備し、より地域に密着した病院を目指していきます。
 よろしくお願いいたします。
2023年7月
病院長 杉山公美弥